KAKUSHIN WHITE PAPER|人事シリーズ #4

評価制度はなぜ「不公平」と言われる?
納得感を生む人事評価の設計

  • #評価制度設計

  • #人事評価

  • #貢献度評価

評価制度をめぐる不満は、どの企業でも驚くほど似ています。
「評価に納得感がない」「成果を出しても報われない」「あの人がなぜ高給なのか分からない」。
多くの場合、この問題は評価者の力量や運用テクニックでは解決しません。なぜなら、不公平感の本当の原因は評価制度の目的と設計思想そのものにあるからです。

本記事では、評価制度を「同じ人件費を誰にいくら配分するか決める仕組み」と捉え直し、社員のモチベーションの総和を極大化するための基本原則と、貢献度を軸にした評価の考え方を整理します。

設計の全体像と運用の詳細資料は、無料でダウンロードできます。

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課題チェック

こんな課題、ありませんか?

  • 評価のたびに「納得できない」という声が現場から上がる

  • 能力は高いが成果に結びつかない人が、高い給与を得ている

  • 経験年数とともに人件費が右肩上がりで、若手に原資が回らない

  • 結果だけで評価され、運や外部環境に左右される不公平感がある

  • 賞与と基本給・等級の仕組みが混在し、何を評価しているのか曖昧

  • 「なぜその評価なのか」を上長が言葉で説明できない

「評価者を鍛えれば直る」という誤解

評価制度への不満は、業種や企業規模を問わず、驚くほど同じ言葉で語られます。期初に立てた目標を真面目にこなしても、期末の面談で腑に落ちないまま処遇が決まる。そんな経験を一度でもすると、社員は制度そのものを信用しなくなります。具体的には、次の3つの声に集約されます。

  • 「評価に納得感がない」

    — どう決まったのか分からない

  • 「頑張っても報われない」

    — 工夫やプロセスが見られていない

  • 「なぜあの人が高い給料なのか」

    — 配分の根拠が説明されない

こうした声を受けた企業がまず手をつけるのは、評価者研修の追加と、評価基準の細分化です。「評価する側のスキルが足りない」「基準が大ざっぱだから不公平になる」と考えるからです。一見もっともらしく、実際に多くの会社がここに時間とコストを投じています。

ところが、それで不公平感が消えたという話はあまり聞きません。理由はシンプルで、不満の発生源が運用ではなく設計にあるからです。目的と設計思想に歪みのある制度は、評価者の腕をどれだけ磨いても、基準をどれだけ細かくしても、構造的に同じ不満を生み続けます。蛇口の締め方を工夫しても、配管そのものが間違っていれば水漏れは止まりません。最初に疑うべきは、現場ではなく制度そのものなのです。

その「設計の歪み」を具体的に見るために、まずは多くの企業が採用してきた2つの代表的な評価思想——能力主義と結果主義——が、それぞれどんな問題を構造的に抱えているかを確認します。

能力主義は、なぜ「不公平」と「人件費高騰」を同時に生むのか

能力主義の最大の問題は、「能力が高いこと」と「会社に貢献していること」を取り違える点にあります。能力は高いが発揮していない人が高給を得る一方で、能力は平凡でも工夫で成果を出した人が報われない。評価されているのが貢献ではなく、保有しているスキルだからです。これは個人の頑張りではどうにもならない、基準そのものの問題です。

01

不公平が生まれる

能力が高くても発揮していない人が高給を得る。逆に、能力が低くても工夫して成果を出した人は報われない。「能力 ≠ 貢献」のズレが、納得感を奪う。

02

人件費が右肩上がりになる

能力・スキルは経験とともに蓄積されるため、給与も自動的に上昇し続ける。若手に原資が回らず、世代間の原資配分が崩れていく。

とりわけ厄介なのが、2つ目の人件費の問題です。能力やスキルは時間とともに自動的に積み上がるため、能力を基準にすると給与も自動的に、しかも一方向に上がり続けます。誰かを昇給させる判断をしなくても、勤続そのものが昇給の理由になってしまう。結果として原資が上の世代に固定され、成果を出している若手や中堅に配分が回らない。これは放置すると是正の効きにくい、世代間の原資配分問題へと発展します。運用の工夫で抑えられるものではなく、基準の置き方そのものが招く構造的な帰結だと理解しておく必要があります。

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評価制度で会社は変わる

モチベーションの総和を極大化する、正しい人事評価の設計

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結果主義は、なぜ「運ゲー」と「短期志向」を招くのか

では、能力ではなく結果だけを見ればよいのか。反対側の結果主義にも、固有の欠陥があります。「数字がすべて」という明快さの裏で、別の不公平が静かに積み上がっていきます。

01

不公平感の温床になる

結果だけで評価すると、外部環境や運に恵まれなかった人のモチベーションが下がる。プロセスで工夫しても、数字が出なければ報われない。

02

短期志向に偏りやすい

長期的な仕込み・人材育成・基盤構築など、すぐに数字へ表れない貢献が軽視される。目先の成果づくりばかりが報われる。

1つ目は運の問題です。同じ努力をしても、外部環境やタイミングに恵まれた人だけが高く評価され、不運だった人のモチベーションは下がります。プロセスで確かに貢献していても、数字が出なければ報われない。これが積み重なると、結果主義はむしろ不公平感の温床になります。

2つ目は時間軸の歪みです。長期的な仕込み、人材育成、基盤づくりといった、すぐには数字に表れない貢献が軽視され、評価が短期志向に偏ります。目先の数字をつくる動きばかりが報われ、会社の土台をつくる仕事が割を食う。能力主義も結果主義も、それぞれ正反対の方向から、同じ「不公平」と「歪み」に行き着くのです。

出発点を変える——評価制度の「目的」を定義し直す

どちらの欠陥も、評価のテクニックでは埋まりません。必要なのは、評価制度を何のために行うのか——その目的の置き直しです。本資料の核心も、まさにこの一点にあります。

評価制度とは突き詰めれば「同じ人件費の中で、誰にいくら配分するかを決める仕組み」です。売上を直接生み出す装置ではありません。配分が公平・公正に行われたとき、社員のモチベーションが高まり、それが巡り巡って成果につながる。つまり、評価制度を通じて経営が直接コントロールできるのは「売上」ではなく「モチベーション」なのです。

評価制度で直接コントロールできるのは、「売上」ではなく 「モチベーション」。

— 人事シリーズ #5「評価制度で会社は変わる」

この前提に立てば、評価制度の目的は自ずと定まります。すなわち——社員一人ひとりのモチベーションの総和を極大化すること。この定義の置き換えが、設計の全体を変えます。評価は誰かを裁く査定作業ではなく、限られた原資を、納得感が最大になる形で配り直す作業になるのです。

BEFORE

評価は、社員を「査定」して優劣をつける作業

AFTER

評価は、原資を「納得感が最大になるよう配り直す」作業

納得感を生む「3つの設計原則」

チベーションの総和を極大化するために、本記事では原典が示す3つの原則を整理します。どれか1つでも欠けると、制度はたちまち形骸化したり、人件費が膨らんだりします

01

目的の明確化

「何のための評価制度か」を経営レベルで定義する。目的のない評価制度は、やがて形だけが回る作業へと形骸化する。

02

公平・公正の担保

配分が公平に行われること、そしてそのルールに社内の合意があること。この合意なしに、評価への納得感は生まれない。

03

相対評価の採用

原資(人件費予算)を一定に保ち、配分だけを変える。処遇原資と接続しない絶対評価は、全員が高評価になれば人件費が際限なく膨らむリスクを構造的に抱える。

特に見落とされがちなのが原則③です。絶対評価は一見すると公平に思えますが、「条件を満たせば全員が高評価」になり得るため、処遇原資と切り離して運用すると人件費が制御不能に膨らみます。原資を固定し、その中で配分順位を決める相対評価こそが、公平性と人件費コントロールを両立させる現実的な解になります。

「能力」でも「結果」でもなく、「貢献度」で測る

3原則を踏まえると、評価の基準は自ずと定まります。能力でも結果単体でもなく、「会社の業績・成長にどれだけ貢献したか」です。能力主義と結果主義、両方の欠陥を同時に解消できる基準は、この貢献度評価しかありません。

能力主義

能力 ≠ 貢献。高い能力でも貢献していなければ報われるべきではない。

結果主義

能力 ≠ 貢献。高い能力でも貢献していなければ報われるべきではない。

最も納得感が高い

貢献度評価

プロセス × 結果の両面から、会社への貢献を測る。

貢献度を基準にすれば、能力が高くても貢献していない人は報われず、逆に不運で結果が出なくてもプロセスで貢献した人は報われます。能力主義の「能力≠貢献」という歪みと、結果主義の「運による不公平」を、同時に解消できる。これが、最も公平・公正で納得感の高い土台になります。

貢献度を「式」で構造化する(考え方)

貢献度は印象や好き嫌いで決めるものではありません。本資料では、貢献度を 期待度 × 達成度 × プロセス点 という式で構造化します。3つの要素を掛け合わせることで、「難しい目標に挑み、結果を出し、その過程に工夫があった」人ほど高く評価される設計になります。

期待度

目標の重要度 × 難易度。目標設定時に上長と合意しておく。

達成度

期末に、その目標がどれだけ達成されたか(結果)。

プロセス点

結果に至る過程に、知恵と工夫があったか。

もう一つの鍵が、プロセスと結果を組み合わせた「4象限」の考え方です。結果が良くてもプロセスが伴わなければ「まぐれ」と見て評価を割り引き、結果が悪くてもプロセスが良ければ「不運」と見て救済する。こうして運の要素を評価から切り離すことで、結果主義が抱えていた最大の弱点を構造的に克服します。

各象限の割引・救済をどの程度で行うか、期待度を1〜5でどう付与するか、1人5つの結果目標をどう設定し、持ち点をS/A/B/C/D評価と賞与係数にどう反映するか——運用に落とすための具体的なルールと5つのステップ(STEP1〜5)は、本記事では割愛しています。設計をそのまま自社に移植できる完全版は、無料資料でご確認ください。

賞与と基本給は「別の仕組み」として分ける

設計でつまずきやすいのが、賞与と基本給・等級を一つの仕組みで決めようとすることです。短期の頑張りと、長期の積み上げを同じ物差しで測ろうとすると、どちらも中途半端になります。本資料は、この2つを明確に分離するよう求めます。

評価制度(短期)

時間軸

半期・四半期

決めるもの

賞与(ボーナス)の係数

評価方式

相対評価(S/A/B/C/D)

人事制度(長期)

時間軸

複数年の積み重ね

決めるもの

基本給・グレード(等級)

評価方式

上がるだけでなく下がることもある

賞与(短期)は、貢献度の持ち点をもとに職種内で相対順位をつけ、半期・四半期で決める「評価制度」。一方、基本給とグレード(長期)は、その評価の積み重ねで複数年かけて決まる「人事制度」です。グレードとは、いわば「会社に対する貢献の期待値」を表します。

そして昇降格は、相対評価だけで機械的に決めてはなりません。機械的に運用すると、本当は上げたくない人を上げざるを得なくなったり、上げたい人を上げられなくなる、という逆転が起きます。だからこそ最終判断には経営の裁量(ファジーな余地)を残し、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)への適合も判断材料に含める。仕組みの厳密さと、経営判断の柔らかさを両立させることが肝心です。

2制度それぞれの時間軸・決定対象・評価方式の対応や、経営判断をどの範囲で効かせるかの設計指針は、資料に一覧で収録しています。

まず、自社が「どの段階」にいるかを知る

ここまでの設計思想を理解したら、次は現在地の把握です。理屈が分かっても、自社が今どこでつまずいているかが見えなければ、最初の一歩は踏み出せません。本資料には、自社の評価制度を「目的の設計」「評価の仕組み」「2制度の分離」「運用・納得感」の4観点でセルフチェックする項目が用意されています。

チェックリスト(抜粋)

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評価制度の目的を「モチベーションの総和の極大化」と定義できている

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評価の基準を「会社の業績/成長に対する貢献度」に置いている

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目標が「プロセス目標」ではなく「結果目標」になっている

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賞与(評価制度)と基本給(人事制度)が別の仕組みとして設計されている

+ 全13項目を資料に収録。チェック数で自社の段階を診断できます

チェックの数に応じて、自社が基盤構築期・整合化期・高度化期の3段階のどこにあるかが分かり、段階ごとに踏むべき「最初の一手」が示されます。目的が曖昧で人件費が膨らみやすい段階なのか、制度の混在を解きほぐす段階なのか、すでに機能している制度を磨き込む段階なのか——現在地によって、打つべき手はまったく異なります。

チェック項目の全文と、段階別の具体的なアクション、無料の評価制度診断の使い方は資料に収録。自社が今どの段階にあり、何から着手すべきかは、ダウンロードして診断してみてください。

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よくある質問

FAQ

Q

評価制度への不満は、評価者の研修で解決できますか?

研修で改善する余地はありますが、不公平感の根本原因が「制度の目的と設計思想」にある場合、運用改善だけでは解消しきれません。まず評価制度の目的を「モチベーションの総和の極大化」と再定義し、貢献度を基準に据えることが出発点になります。

Q

能力主義と結果主義、どちらを採用すべきですか?

いずれも単独では欠陥を抱えます。能力主義は人件費が膨らみやすく、結果主義は運による不公平感を生みます。本資料では、プロセスと結果の両面から「会社への貢献度」を測る貢献度評価を推奨しています。

Q

相対評価と絶対評価、どちらが良いのでしょうか?

処遇原資(人件費予算)と接続しない絶対評価は、人件費が膨らむリスクがあります。原資を一定に保ち配分だけを変える相対評価が、公平性と人件費コントロールの両立に適しています。詳細は資料で解説しています。

Q

賞与と基本給は同じ仕組みで決めてよいですか?

賞与は半期・四半期の相対評価で決める「評価制度」、基本給・グレードは複数年の積み重ねで決める「人事制度」として設計します。両者を混在させると、評価対象が曖昧になり納得感が下がります。

Q

評価制度を見直したいのですが、何から始めればよいですか?

まずは自社の現状把握です。資料に収録したチェックリストで「目的の設計」「評価の仕組み」「2制度の分離」「運用・納得感」を診断すると、自社の段階と「最初の一手」が明確になります。無料の評価制度診断もご利用いただけます。

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[電話番号] 03-6869-5741

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賞与と基本給は「別の仕組み」として分ける

設計でつまずきやすいのが、賞与と基本給・等級を一つの仕組みで決めようとすることです。短期の頑張りと、長期の積み上げを同じ物差しで測ろうとすると、どちらも中途半端になります。本資料は、この2つを明確に分離するよう求めます。

評価制度(短期)

時間軸

半期・四半期

決めるもの

賞与(ボーナス)の係数

評価方式

相対評価(S/A/B/C/D)

人事制度(長期)

時間軸

複数年の積み重ね

決めるもの

基本給・グレード(等級)

評価方式

上がるだけでなく下がることもある

賞与(短期)は、貢献度の持ち点をもとに職種内で相対順位をつけ、半期・四半期で決める「評価制度」。一方、基本給とグレード(長期)は、その評価の積み重ねで複数年かけて決まる「人事制度」です。グレードとは、いわば「会社に対する貢献の期待値」を表します。

そして昇降格は、相対評価だけで機械的に決めてはなりません。機械的に運用すると、本当は上げたくない人を上げざるを得なくなったり、上げたい人を上げられなくなる、という逆転が起きます。だからこそ最終判断には経営の裁量(ファジーな余地)を残し、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)への適合も判断材料に含める。仕組みの厳密さと、経営判断の柔らかさを両立させることが肝心です。

2制度それぞれの時間軸・決定対象・評価方式の対応や、経営判断をどの範囲で効かせるかの設計指針は、資料に一覧で収録しています。